百年の孤独

数え切れないほどの短編のストーリーを淡々と織り重ねて、辺境の地に住む一族の面々の孤独が描き出されていく不思議な形態の小説だった。

一族の面々が孤独な理由は決定的な人格上の欠陥であったり、抗いようのない運命的なものであったりと各々異なる。つまり孤独の種類が一族の面々の数だけ存在する。

そして、この本を読んだ多くの(ラテンアメリカの)人はきっとこの一族の面々のうちの誰かと同じ類いの孤独を一度は感じたのではないかと思う。そこにこの本が評価される理由があるのでは。

百年の孤独

百年の孤独